『ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義』の備忘録

本・歴史の話のアイキャッチ

内容紹介(Amazonより)

人を動かし、ビジネスに革命をもたらす≪ゲームの力≫を、あなたは本当に理解しているだろうか? 名門ペンシルベニア大学ウォートン・スクールで世界初の「ゲーミフィケーションコース」を担当する著者たちが、「ゲーミフィケーション」の理論から実践までを徹底解説。 私たち人類は何千年もの間、楽しさという驚異的な精神力を引き出す「ゲーム」なるものを創り出してきた。出来の良いゲームは、モチベーションという人間心理の誘導ミサイルとなる。 ゲームが教えてくれる教訓を使えば、ビジネスに革命をもたらす可能性もある。 ――本文より ◆ゲーミフィケーション(gamification)とは?◆ 「非ゲーム的文脈でゲーム要素やゲームデザイン技術を用いること」。 楽しさという自然なモチベーションが行動を生む。 しかしそれは、つまらない作業をやらせるための手段ではない。 意思の力だけではかなわない原動力を人に与える。 うまくデザインされたゲーミフィケーションを使えば…… ▼バグ探しという死ぬほど退屈な作業に、無報酬にもかかわらず、世界中のマイクロソフト社員が夢中になる ▼ユーザーは、ずっとナイキのランニングシューズを買い続ける ▼エスカレーターがあっても、ほとんどの人が階段を使うようになる ▼テレビドラマのHPへのアクセスが30%増、通販の売上は50%増、番組の内容に関するフェイスブックの投稿は4000万人にリーチ ▼1400万トン以上の二酸化炭素排出量の削減、2500万ガロンの節水、200万ポンドのゴミのリサイクル、600万キロワット時の節電を実現 今日のオンラインやソーシャルメディアがそうであるように、2、3年のうちに、ゲーミフィケーションを全く考慮していない営業計画やマーケティング計画でお茶を濁そうとする経営幹部がいたら、驚くようになるかもしれない。――「まとめ」より
引用:https://amzn.to/2xd8FXg

まとめ

ゲーミフィケーションの定義(50~51頁)

オンラインゲームの第一人者であるRichard Bartle(リチャード・バードル)がゲーミフィケーションを「ゲームでないものをゲームに変換する」と定義する一方で、本書では「ゲーミフィケーションとは、非ゲーム的文脈でゲーム要素やゲームデザイン技術を用いること」としています。

仕事でゲーミフィケーションが役立つ理由(59~66頁)

本書では仕事でゲーミフィケーションが役立つ理由を3つ挙げています。 1つ目が関与(エンゲージメント)で組織内のモチベーションを上げるためにも、消費者に商品を買ってもらうためのマーケティングにも、ゲーミフィケーションが役立つとしています。 2つ目は実験、言い換えるならチャレンジし続けようとする精神を養えることとしています。ダニエル・ピンクの『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか 』で紹介されている「熟達(マスタリー)」に近い感覚といえましょう。 3つ目に効果があることを挙げていますが、これは本書の営業トークでしょう。

ゲーム要素のピラミッド(143~152頁)

本書ではゲーミフィケーションに関連するゲーム要素として、「ダイナミクス」「メカニクス」「コンポーネント」という3つの要素を挙げています。 「ダイナミクス」とは大型目標に相当するものであり、「制約」「感情」「物語」「進歩」「関係性」が原動力なっています。 「メカニクス」は実際にプレイヤーをやる気にさせるプロセスであり、チャレンジや競争、フィードバックなど10個の重要な要素があるとしています。 そして最後の「コンポーネント」は実際にゲームに実装する機能であり、ゲーミフィケーションでよく用いられる「バッジ」や「アバター」、「リーダーボード」など15個の要素を挙げています。

プレイヤーの分類(166頁)

バートルテストから引用すると、プレイヤーは「達成者」「探索者」「社交家」「殺人者」に分類できるとされます。
このバートルテストについては、別ページにまとめ記事がありますので、ぜひご覧ください。