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「SSL対応したWebサイトではYahoo!カスタムサーチは使えない」といわれたこと
先日とあるWeb制作業者の方と話をしている際、サイト内検索の話題になりました。
Googleのサイト内検索では検索結果に広告が表示されるため、広告が表示されないYahoo!のサイト内検索のツールを使用することもあるという話をしたところ、「SSL対応したWebサイトではYahoo!カスタムサーチは使えない」という話をされました。
今回はこの話の真偽を確かめていきたいと思いますが、結論から言えばSSL対応されたWebサイトでもYahoo!カスタムサーチは問題なく使用できます!
以下では検証内容についてお話していきます。
今回の問題を読み解くための基本情報
「SSL対応したWebサイトではYahoo!カスタムサーチは使えない」という問題を考える前に、まずは基本用語を確認しておきましょう。
サイト内検索とは何か?
サイト内検索とはWebサイト内のページを探すシステムのことです。
GoogleやYahoo!のWebサイトのように、様々なWebサイトを検索するという目的でなく、Webサイト内で必要な情報を瞬時に探すことを目的としています。
GoogleやYahoo!はそのサイト内検索のツールも無料で提供しています。
Googleが提供しているのが「Googleカスタム検索」で、Yahoo!が提供しているのが「Yahoo!カスタムサーチ」です。
Googleカスタム検索とYahoo!カスタムサーチの違いは?
Googleカスタム検索とYahoo!カスタムサーチのサイト内検索の共通点・相違点についてはまとめられてWebサイトが数多く存在するので、それらのサイトの力を借りて結果だけをまとめていきましょう。
Googleカスタム検索
- 無料で使用できる
- 非営利団体でない限り、無料アカウントの場合は検索結果に広告が表示される
- 設定次第で広告収入が入る
Yahoo!カスタムサーチ
- 無料で使用できる
- 無料のアカウントでも広告が表示されない
- そのため広告収入は発生しない
参考:サイト内検索機能を簡単に設置できる!Yahoo!検索カスタムサーチの設定方法を紹介|ferret [フェレット]
SSL・httpsとは?
SSLとはSecure Sockets Layerの略語で、インストール上におけるウェブブラウザとウェブサーバ間でのデータの通信を暗号化し、送受信させる仕組みのことです。(参考:SSLとは?httpsとは?簡単説明|GMOグローバルサイン【公式】)
ハッキングの心得のある人であれば、お問合せフォームなどに入れた情報を傍受し、個人情報などを不正に取得することが可能です。こうした情報を漏らさないためにも、Webサイトから発信される情報を暗号化し、傍受したとしても分からないようにすることがSSLの目的です。
そして、このSSLの設定がされて暗号化がなされたWebサイトでは、「http://~~~」ではなく「https://~~~」というURLになっています。
「SSL対応したWebサイトではYahoo!カスタムサーチは使えない」の真偽
それでは本題に
それでは「SSL対応したWebサイトではYahoo!カスタムサーチは使えない」の話の続きを見ていきましょう。この発言をされた方に「どうして使えないのですか?」と質問したところ、「Yahoo!カスタムサーチはインラインだから使えない」と言われました。
インラインとは何か?
「インライン」というまた新しいワードがでてきました。
「インライン」と一口に言ってもWebの仕事ではいろいろな意味がありますが、今回はYahoo!カスタムサーチの設定のことです。
Yahoo!カスタムサーチでは大きく分けて3つの検索結果の表示方法がありますが、標準タイプやブログタイプはYahoo!が用意した検索結果ページに遷移するのに対して、インラインタイプは検索結果を表示させたいページに独自のコードを埋め込んで対応します。
実際に標準タイプとインラインタイプを比べた
難しいことはさておき、実際にSSAITSのサイトのYahoo!カスタムサーチを作ってみましたので、こちらのページをご覧ください。
上の検索フォームが標準タイプ、下がインラインタイプのものですが、実際に検索してみるとわかるように、標準タイプはもちろんのこと、インラインタイプもhttps化されているSSAITSのWebサイトで問題なく使用できます。
「SSL対応したWebサイトではYahoo!カスタムサーチは使えない」というわけではなく、問題なく使用できるといってよいでしょう。
なぜYahoo!カスタムサーチが使えないという間違いをしてしまったのか
最後に私がお会いしたその方がなぜこのような誤った認識をしてしまったのか考えていきます。
昔はそうだった(?)
Web業界でよくあるのが、「ちょっと前まではそうだった」ということです。
つまり、Yahoo!カスタムサーチも少し前まではhttpsのWebサイトに対応していなかったのかもしれません。
調べたところそうした情報は得られないのですが、仕様が変わったということはあるかもしれません。
httpsからhttpの結果ページを表示させる
もう一つの可能性としては、httpsのページでサイト内検索し、httpの検索結果ページに遷移しようとさせていたかもしれません。せっかく通信が保護されているhttpsのページから保護されていないhttpのページに行くことを好まず、エラーを表示させるWebツールは少なからず存在します。
完全にhttpsのWebサイト内で完結させず、httpのページをまたいだことによりエラーがでた経験から「SSL対応したWebサイトではYahoo!カスタムサーチは使えない」と勘違いしたのかもしれません。
まとめ
今回はSSL対応したWebサイトではYahoo!カスタムサーチは使えないのかどうかを考えていきました。
検証の結果、とくに問題なくhttpsになっているWebサイトでもYahoo!カスタムサーチは使用可能です。
今回は問題なくYahoo!カスタムサーチが使えましたが、Yahoo!カスタムサーチ含め、無料で提供されているWebツールは仕様が知らぬ間に変わっていることが多く、今回のように忠告してくれるということは本当にありがたい話です。