Webサイト(ホームページ)制作プロジェクトの流れと発注者が気を付けておきたいこと

2022年10月14日

今回はWebサイトをつくる過程を学んでいきましょう。

Webサイト制作の大まかな流れは以下のようになります。

  1. キックオフミーティング
  2. 設計
  3. デザイン作成
  4. コーディング
  5. テスト・公開作業

このようなステップを経て、Webサイトは制作されていきます。
Webサイト制作を含め、IT開発プロジェクトの成功率は30%程度といわれています。
しかし、しっかりと勘所をおさえておけば、制作会社とのプロジェクトは決して怖いものではありません。
今回はWebサイト制作を依頼する発注者の目線で、その勘所を総まとめしていきましょう。

キックオフミーティング

キックオフミーティングというのは、プロジェクト最初のミーティングです。
今後の進行を細かく話すこともあれば、プロジェクトメンバーの顔合わせ程度に終わることもあります。
この時に発注者側がおさえておかなければならないのは、「要件の確認」「プロジェクトメンバー」「スケジュール」です。

要件の確認

まずは要件の確認です。Webサイト制作においては、「誰を対象にして」「どのような機能を持たせて」「どのようなシステムを作って」「何をもって完了か」を確認していきます。
当たり前のことに見えますが、この部分をおろそかにしていると、発注者側と制作会社側が認識を一緒にしないままプロジェクトが進んでいき、プロジェクトは失敗まっしぐらとなってしまいます。
要件については一覧化し、プロジェクト中も適宜確認していくとよいでしょう。

プロジェクトメンバーに過不足はないか?

要件を確認したら、次はプロジェクトメンバーを確認することをおススメいたします。
通常Webサイト制作のプロジェクトは広報部や情報システム部のスタッフが中心となって進められていきます。
しかし、これも固定的に考えず、プロジェクトの中身や要件によって柔軟にメンバーを追加していくほうがよいでしょう。

スケジュール

プロジェクトの要件とメンバーが固まれば、最後にスケジュールを確認します。
プロジェクト開始前も制作会社との間で概算スケジュールを確認したりもしますが、最終的な要件が確定し、メンバーが増えたりすると、当初の予定では進められないということもあります。
最終的なスケジュールを確認して、キックオフミーティングを締めるのがよいでしょう。

設計

設計のステップでは、Webサイトの設計図ともいえるワイヤーフレームを完成させることがゴールです。
ワイヤーフレームはWebサイトの枠組みであり、どこにどのような情報を配置するかを決めていきます。
ここで発注者が気にすることは伝えていた要件が盛り込まれているかどうかです。
キックオフミーティングの際にも確認した要件ですが、ワイヤーフレーム作成の際にも適宜確認することをおススメいたします。

ワイヤーフレームについては下記の記事もご参照ください。

デザイン

Webサイトの設計図であるワイヤーフレームができたら、制作会社はデザインの作成にとりかかります。
デザイン制作時に発注者が気を付けておきたいことは以下の3点です。

  1. 会社・お店のブランドイメージに沿っているか
  2. 写真をどうするか
  3. デザインの最終決定者は誰か

会社・お店のブランドイメージに沿っているか

制作会社からデザイン案の初校が渡される時が、発注側の一番ドキドキする瞬間なのではないでしょうか。
「想像以上の出来だった」「おもったよりインパクトがなかった」など、いろいろとコメントは社内・店内から出てくるでしょうが、一番大切なのはデザイン案が会社やお店のブランドイメージに沿っているかどうかです。
例えば同じ「しゃぶしゃぶ」を扱っているお店であっても、高級店の「木曽路」は黒を基調としたWebデザインで高級感を演出していますし、「和食 さと」はファミリー向けレストランなので、ポップな印象のWebデザインになっています。
このWebデザインがさかさまだったらどうでしょう?木曽路のWebサイトが妙にポップであれば、会社のイメージを損ねてしまいますし、さとのWebサイトが重厚な黒で統一されていたら、気軽にお店にいけませんね。
こうしたブランドイメージはしっかりと発注者側でおさえておく必要があるでしょう。

写真をどうするか

Webサイトで使う写真の手配は、発注者側の大きな仕事です。広報部などと連携しながら、撮影を行うのか、それともネットにある有料写真を使用するのか判断しなければなりません。

デザインの最終決定者は誰か

最後に、これが一番重要なのですが、デザインの最終決定者を明確にしておくことが大切です。せっかく発注側・制作会社側双方のプロジェクトメンバー内でもりあがって「このWebデザインならバッチリだ!」ということになっても、プロジェクトメンバーの上司の一言でちゃぶ台返しになることもあります。
こうしたトラブルを回避するためにも、最初のプロジェクトメンバーの選定が大切なのですが、最終決定者が社長であったりすると、毎回ミーティングに参加してもらうことは難しいかもしれません。
そうした場合は、こまめに状況報告をするなどして、Webデザインの微調整をしておくことが大切です。

コーディング

Webデザインが決定したら、制作会社はWebデザインをWebサイトにするために「コーディング」というステップに入ります。制作会社はHTML・CSSなどの言語を使って制作を進めていくのですが、発注者側はここから少し手持ち無沙汰になります。
最終的に出来上がったWebサイトを待つばかりとなります。

テスト・公開作業

Webサイトが出来上がったら、テスト作業に入ります。
Webサイトのレイアウトが崩れていないか、テキストに誤りがないかを確認していきます。
テストも問題なく、いよいよ公開となった時、発注者側の最後の仕事がはじまります。

  1. 公開後の確認ポイントを制作会社側と共有する
  2. 社内に告知する

公開後の確認ポイントの共有

Webサイト制作に携わってこなかった方にとっては、「テストもしっかりしたのに、公開後に何を確認するんだ」ということになりますが、様々な理由で、公開後もトラブルが発生する可能性があります。
例えばテストサイトでWebサイトを確認していた場合、リンク先がテストサイトになったまま公開されてしまっているかもしれません。
こうした問題を回避するため、制作会社と公開後の確認事項をしっかりと洗い出し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。

社内に告知する

最後に忘れてはならないのが、社内への告知です。
Webサイトを新設する場合は大きな問題になりませんが、リニューアルなどの場合、一時的にWebサイトが見られなくなってしまうこともあります。
また、何かしらトラブルがあった時もWebサイトは見られなくなってしまうので、公開日はWebサイトが不安定になることを社内・店内のスタッフに周知させておいたほうがよいでしょう。

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