問題を解決できないリーダーの3つの要因

nayami

なぜ問題解決ができないのか?

問題解決型リーダーとは、その名の通り組織やプロジェクトの問題を解決行くことができるリーダーのことです。
ただ部下やプロジェクト・メンバーのおしりを蹴り上げるだけのリーダーではなく、現代では問題解決型リーダーが求められています。
しかし、望んでいたとしても、なかなか人は問題解決型リーダーになれるわけではありません。
今回はソフトウェア開発の人類学者・ジェラルド・ワインバーグの著書『スーパーエンジニアへの道―技術リーダーシップの人間学』 から、問題解決型リーダーになるのを妨げる3つの要因を紹介し、問題解決を妨げている要因を解説していきます。

自分自身のことが見えていない

問題解決型リーダーになるのを妨げる1つ目の要因は「自分自身のことが見えていない」ということです。
これは問題解決型リーダーのみならず、どのようなタイプのリーダーであっても自分自身に対する盲目は成長の障害になります。
「人の悪口を言うな」と日々言っている人が一番悪口を口にしていたり、「整理整頓」を掲げているリーダーの机が一番汚いなど、自分が一番できていないということはよくあります。
だいたいの場合、当の本人にはそのつもりはなく、悪口を言っていないつもりでしょうし、整理整頓をしているつもりでいるでしょう。
これが問題解決の場面になっていると、「コストの増加」という問題を解決しようとしているのに、無意識のうちに高い買い物をしてしまったり、「離職率の上昇」という問題を解決するために部下を毎日遅くまで働かせるという状況になります。

「問題ない症候群」に罹っている

問題ない症候群とは、『スーパーエンジニアへの道』の著者のワインバーグの造語で、明確に意味が定義されているわけではありません。
その内容を『スーパーエンジニアへの道』の内容からまとめると、自分の思い込みや前提知識に頼って問題を深く知ろうともせず、問題を聞くや否や「問題ない!」と答えてしまうような性質のことを指していると言えるでしょう。
私もそうでしたが、最近の子供はテストの点数が低いとゲームを禁止されたり、スマホを取り上げられたりします。
それが有効な場合もあるが、根本的な問題の解決になっているかは疑問の余地があります。
しかし、こうしたゲームの禁止やスマホの取り上げをしている親の多くは、「どうしたら子供のテストの点数が高くなるのだろう?」という問題に対し、「問題ない!ゲームを取り上げさえすれば!!」と考え、これを実施します。
これこそが典型的な「問題ない症候群」の一例です。
こうした問題ない症候群を患っているうちは、他の解決策を模索せず、信じ込んでいる解決策に固執してしまいます。

答えはたった1つだと考えている

昔、Googleの入社テストの問題を友人に出されたことがあります。
うろ覚えですが、以下のような内容だったように思えます。

密室に3つの電球がついている。
また別の部屋には3つのスイッチがあり、それぞれ3つの電球に対応している。
電球がある部屋とスイッチがある部屋は一つの扉を隔てて隣同士にはあるが、お互いの部屋の様子はみることができない。
あなたはどうしたらどのスイッチがどの電球に対応しているかどうかわかるだろうか?
質問は3回まで可能。

私は「工具を使っていいのか?」「扉に隙間はあるか?」「スイッチを押す前に電球の部屋にいっていいのか?」という質問をしたように思えます。
はじめの2つの答えは「NO」で、部屋には事前に行ってもいいということでした。
結局答えはわからず、正解を求めたところ回答は以下のようなものでした。

3つの内、2つだけスイッチを押す。2つスイッチを押した内、どちらか一方を電球の部屋に行く前にオフにする。
電球のある部屋に行き、明るいスイッチは当然オンにしたままスイッチに対応している。
明かりのついていない電球の内、さわって温かい方は直前にオフにしたスイッチに、そうでないものはずっとオフにしていたスイッチに対応している。

こうした解答を聞いても、なるほどなと思う反面、何となく腑に落ちない気持ちにもなります。
なぜこのような問題をわざわざ紹介したかというと、問題解決の際に陥りやすい罠というものが、このGoogleの入社試験のように答えが1つしかないと考え込んでしまうことだからです。
先ほどのGoogleの入社試験のムズムズするところは、ほかにいろいろな手段がありそうなのに、「これが答えだ」と提示されて、その他を受け付けてもらえないところです。
しかし、いざ問題解決をしようとすると、「答えは1つしかない」と思い込んでしまい、多くの手段を試さずに時を過ごしてしまいます。

解決法は周囲の意見を求めること

今回は問題解決型リーダーになるのを妨げる3つの要因を紹介していきました。
いずれの要因についても、解決策は自分自身の誤りを指摘してくれる人を作ることです。
最近はやりのメンターを探すということでもありますし、上司だけでなく部下に率直な意見を求めるのもよいでしょう。
最近では、チームで働く上で「コーチャブルであること」が不可欠の成長要素とすることも増えてきましたが、問題解決型リーダーになる場合も、人の意見に素直に耳を傾けるコーチャブルな性質が不可欠かもしれません。
また、進んで忠告を求めるという切磋琢磨の意思も、問題解決型リーダーには大切だと言えるかもしれません。