リーダーシップのMOIモデルとは何か?問題解決型リーダーに必要なスキルを紹介

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リーダーシップのMOIモデルの概要

リーダーシップのMOIモデルとは、環境を変化させるリーダーシップをとっていくには、「動機付け」「組織化」「アイデア(技術革新)」の3つの成分が必要だとするモデルです。

MOIモデルのリーダーシップの3つの成分
  1. Motivation:動機付け
  2. Organization:組織化
  3. Idea(もしくはInovation):アイデアもしくは技術革新

それぞれの要素の頭文字をとって、MOIモデルと呼ばれています。
このMOIモデルはソフトウェア開発の人類学者・ジェラルド・ワインバーグの著書『スーパーエンジニアへの道―技術リーダーシップの人間学』で紹介されているモデルです。
今回は同書を要約しながら、MOIモデルを紹介していきます。

MOIモデルは問題解決型リーダーに必須のリーダーシップのモデル

MOIモデルは問題解決型リーダーにとって有効なリーダーシップのモデルとなります。
では、問題解決型リーダーとは何なのでしょうか?
「リーダーとは何か?」という質問をすれば、さまざまな答えが返ってきます。
「人を導く人徳がある人だ」とか「誰よりも組織のために頑張る人だ」とか、その答えは千差万別でしょう。
このように、「リーダー」や「リーダーシップ」というのは、日常的に使う言葉の割には、創造する中身が人によって定まらない言葉であります。
数あるリーダー像の中で、問題解決型リーダーとは、その名の通り、他を巻き込んで問題を解決できる人こそがリーダーであるというアイデアです。
今日ではIT化が進み、システム担当でなくとも、ITシステム導入のプロジェクトに参加する機会が多くなってきました。
そうした中でただモーレツに働く(働かせる)だけのリーダーではなく、組織の問題を正確に捉え、その解消に向けてどのようなITシステムが必要なのかを考えられる問題解決型リーダーが求められるようになってきました。
では、どうやったら周囲を巻き込みながら問題を解決できるのでしょうか?
ここで役に立つのが、冒頭で紹介したMOIモデルのリーダーシップです。
ここからはMOIモデルについてさらに詳しく解説していきます。

MOIモデルのリーダーシップの内容

MOIモデルの3つの成分

冒頭で紹介したように、MOIモデルは「動機付け」「組織化」「アイデア(技術革新)」の3つの成分からできています1)G.M. ワインバーグ (著)、木村 泉 (訳)『スーパーエンジニアへの道―技術リーダーシップの人間学』共立出版、1991年、19~20頁。
これら3つの成分の内容を確認しておきましょう。

動機づけ

動機づけとは、人にやる気を起こさせることです。
最近ではモチベーションアップという言葉が盛んに使われているため、イメージには難くないでしょう。

組織化

組織化とは、チームをまとめていく力でもあります。
協力体制を築いたり、情報共有の仕組みを作る能力もこれに含まれます。

アイデア(技術革新)

アイデアとは、問題解決を実現させるアイデアや技術革新のことです。
アイデアや技術革新を引き出す能力もこれに含まれます。

従来は動機づけしか注目されてこなかった

MOIモデルのリーダーシップの面白いところは、動機づけ以外に、組織化、アイデアという成分をリーダーシップに必要なものとしているところです。
従来のリーダーシップ論というのは、リーダーが行う動機づけの部分だけを重視してきました。
やることが明確な作業をする場合は、あとはやる気の問題だけなので、スタッフのやる気を引き出せるリーダーがいれば十分でした。
しかし、すでに述べた通り、これからのリーダーは組織の問題を解決していかなければなりません。
そのためには、動機づけを行うだけでなく、組織化を進めていったり、アイデアを引き出せるようなリーダーシップが必要になります。

MOIモデルを使用したリーダーシップの具体例

実際に、MOIモデルのリーダーシップをとったときに、リーダーはどのような対応をしていくのかを見ていきましょう。
MOIモデルでは問題や課題を解決していく場合、以下の3つの手法が試せないかを考えていきます。

  • モチベーションを高めて解決できないか(M方式)
  • 組織化して解決できないか(O方式)
  • アイデアや技術革新で解決できないか(I方式)

例えば、「製品の品質を高める」という課題を解決する場合、何か品質を高めるツールを開発しようとしたり、導入しようとするのはI方式です。
組織のスタッフにツールの使い方を教えて、使う気にさせる方式はM方式です。
そして、ツールを使って運用する体制を作って対応していくのがO方式です。
このように、MOIモデルのリーダーシップでは、M方式・O方式・I方式のそれぞれの手法が問題解決に役立たないかを考え、行動していきます。
やる気の高いチームのリーダーをする場合は、O方式やI方式のリーダーシップをとってやる気を正しい方向に導き、アイデアは出るもののまとまりのないチームのリーダーになれば、M方式やO方式を試していきます。

さいごに

今回はワインバーグの著書『スーパーエンジニアへの道―技術リーダーシップの人間学』で紹介されているMOIモデルのリーダーシップについて紹介してきました。
MOIモデルのリーダーシップの主要要素である動機づけ、組織化、アイデアの3つの成分は、どれも人間生まれながらにしてある程度は備わっているものです。
MOI方式のリーダーシップを採用していく場合は、まず自分にはM方式、O方式、I方式の得意な分野をのばし、追って弱点の方式の能力を高めていくとよいでしょう。

References   [ + ]

1. G.M. ワインバーグ (著)、木村 泉 (訳)『スーパーエンジニアへの道―技術リーダーシップの人間学』共立出版、1991年、19~20頁。