優れた目標を作るための”SMART”というスローガン

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優れた目標を作るには

生きていると、組織やチームの目標を作るという機会は少なからずあります。
独立・開業した際に会社やお店の目標を考えることもあるでしょうし、プロジェクトの目標を決めることもあります。人によっては学生時代に部活動の目標を決めた人もいるでしょう。
しかし、せっかく目標を決めても、周囲に共感されないものであれば意味がありません。
今回は優れた目標を作る際に使える“SMART”というスローガンを紹介します。

SMARTとは

SMARTとはSpecific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(適切さ)、Time-limited(時間制限)の5つの英語の頭文字をとったものです1)Scott Berkun (著)、村上 雅章 (訳)『アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法』オライリー・ジャパン、2006年、85頁。ただし、同書ではSpecific(具体的)、Measurable(測定可能)、Action-oriented(行動指向)、Realistic(現実的)、Timely(タイムリー)をSMARTの内容としている
つまり、これら5つの要素がそろっていれば、スマート(SMART)な、つまり優れた目標がたてられるということです。
ここからは、これらSMARTの中身を詳しく見ていきましょう。

Specific(具体的)

まずはSpecific(具体的)について考えていきましょう。
目標というのは具体性を欠いてはいけないことは、なかなかわかっていても実行できないことがよくあります。
「今年は売上をアップさせます」とか「商品をより多くの人に使ってもらえるようにします」というようなフワッとした目標を耳にすることは多々あります。
こうした目標をブラッシュアップしていくには、5Wに注目していけばよいでしょう。
つまり、以下の5つの質問に答えられるように目標を調整していきます2)SMART Goals – Time Management Training From MindTools.com

・What:何を達成したいですか?
・Why:なぜこの目標が重要なのですか?
・Who:誰が関与していますか?
・Where:どこにありますか?
・Which:どのリソースまたは制限が関係していますか?

Measurable(測定可能)

つぎにMeasurable(測定可能)を見ていきましょう。
測定可能というのは、その目標がどこまで達成したのかが数値で判断できるかどうかを意味しています。
測定できるというのは、目標をより具体的に理解してもらえるだけでなく、目標を共有するメンバーのモチベーションにもつながります(例えば過去の記事『「はかる」ことがゲーミフィケーションの第一歩』をご覧ください)。
売上であれば測定は比較的簡単なのですが、「人々を幸せにしていきます」という目標であれば、「幸せかどうか」をどうやったら測定できるのかを考えなければなりません。
逆に言うと、「どうやって測定するのか」で考え込んでしまうような目標は変えてしまったほうがよいのかもしれません。

Achievable(達成可能)

Achievable(達成可能)は掲げた目標がそもそも達成できるのかどうかを意味しています。
「Webサイトを作成して1年以内に1日1,000万人に見てもらえるようにする」という目標は意気込みこそいいものの、やはり現実的には難しいところです。
よく言われるように、目標は「どうにかがんばったら達成できそう」というラインを見定めることが大切で、はじめから無謀な計画だと誰もその目標にチャレンジしなくなってしまいます。
そのため、たてた目標が達成可能かどうかをしっかりと判断する必要があります。

Relevant(適切さ)

ある程度目標が定められてきたら、Relevant(適切さ)を確認していきます。
これは掲げた目標が本当に実施するのにふさわしい内容なのかを確認するものです。
例えば以下のような項目をチェックしていきます3)SMART Goals – Time Management Training From MindTools.com

・この目標には価値があるか?
・今が正しいタイミングか?
・これは他の取り組みやニーズと一致しているか?
・我々はこの目標を達成するのに適しているか?
・現在の社会経済環境に適用できるか?

Time-limited(時間制限)

優れた目標を作成するための最後の締めくくりはTime-limited(時間制限)を設けることです。
つまり、「いつまでに目標を達成させるのか」というのを設定して、ようやく目標は完成します。

この他のSMARTの定義

以上、SMARTの内容をみていきました。
このSMARTのアイデアは1981年に”Management Review”に掲載されたジョージT.ドラン(George T. Doran)の研究が基になっているのですが、それから様々な言葉の定義が生まれてきました。今回紹介した内容はほんの一部です。
このSMARTには他に以下のような単語が入ることがあります4) SMART criteria – Wikipedia

一般的に使用される単語他の単語
SSpecific
MMeasurableMotivating
AAchievable, attainableAssignable, Agreed, action-oriented, ambitious, aligned with corporate goals
RRelevantRealistic, resourced, reasonable, results-based
TTime-bound or time-limitedTrackable, time-based, time-oriented, time/cost limited, timely, time-sensitive, timeframe, testable

このように、SMARTの中に入る単語は様々ありますが、言わんとするニュアンスに大きな違いはありません。
具体的であり、測定可能であり、達成が現実的に可能であり、周囲の環境も踏まえて適切であり、時間制限が設けられた目標というのが、優れた目標であると言えるでしょう。

References   [ + ]

1. Scott Berkun (著)、村上 雅章 (訳)『アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法』オライリー・ジャパン、2006年、85頁。ただし、同書ではSpecific(具体的)、Measurable(測定可能)、Action-oriented(行動指向)、Realistic(現実的)、Timely(タイムリー)をSMARTの内容としている
2. SMART Goals – Time Management Training From MindTools.com
3. SMART Goals – Time Management Training From MindTools.com
4. SMART criteria – Wikipedia